令和8年8月17日
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現行の算定ルール(財産評価基本通達)は昭和39年(1964年)に制定されて以来、約60年にわたり抜本的な見直しが行われていません。現代の企業構造や経済情勢とのズレが目立つようになり、会計検査院の指摘や国税庁の有識者会議を中心に大改正に向けた検討が進められています。
<見直しが必要とされている理由は?>
①評価方法による株価の著しい乖離
非上場株式の評価には、大企業向けの「類似業種比準方式」や中小企業向けの「純資産価額方式」などがあります。
会計検査院や国税庁の実態調査により、類似業種比準方式で評価した株価が、会社の解散価値にあたる純資産価額に比べて極端に低く算定されるケース(純資産価額の約2~3割程度にとどまるケース)が多数確認されました。同程度の価値を持つ会社であっても、評価方式の違いで株価が大きく変わる点が問題視されています。
②会社規模が大きくなるほど株価が安くなることも?
現行ルールでは、会社規模が大きくなるほど「類似業種比準方式」の適用割合が高くなります。その結果、「利益や資産規模が大きく成長した企業ほど、相続税上の評価額が相対的に低くなる」という不均衡な現象が常態化しています。
③赤字会社ほど株価が高くなることも?
類似業種比準方式」は、利益・配当・純資産の3要素(比準要素)を上場株式の数値と比較して株価を算定します。赤字会社は、比準要素の数値が小さくなる傾向にあります。 仮に赤字や無配によって比準要素のうち2つ以上がゼロ(またはマイナス)になると、類似業種比準方式の適用が制限され、評価額が高くなりやすい「純資産価額方式」が大部分で適用されます。その結果、「赤字になった(業績が悪化した)のに株価が跳ね上がる」という逆転現象が発生します。
<見直しに向けたタイムライン>
今年秋ごろまでに有識者・専門家の議論を重ね、改正案の骨子を策定し、早ければ令和9年度(2027年度)税制改正大綱により方針発表、令和10年(2028年)1月から改正後評価ルールが施行される見込みです。
<まとめ>
改正後ルールによっては、従来の節税対策が使えなくなる可能性もあります。
また、類似業種比準方式の比重が高かった中堅・大企業や、内部留保・不動産等の資産を多く抱える企業は自社株評価が上昇する可能性が高く、新ルールの動向を注視する必要があります。
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