Break Time No.68 税務調査もリモートの時代に?(令和4年7月1日)

Break Time

令和4年7月1日

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税務調査もリモートの時代に?

 コロナ禍における新たな動きとして、「リモート税務調査」が話題になっています。今回はその概要について簡単にお伝えします。

〇リモート税務調査とは?

 調査官が企業を訪れ一室を借り、調査先企業のPCを使って別室にいる担当者とWEB会議システムにより面談を行ったり、企業内サーバーへアクセスして必要なデータを閲覧しながら税務調査を行うというものです。

 対面による新型コロナウイルスの感染リスクを減らす目的で、一部の大手企業の調査で実施された後、2021年7月からは中小企業に対してもこの調査方法が解禁されています。コロナ危機の回復を待って、税務調査を延期する形は次第に無くなりつつあります。

〇必要な要件は?

 リモート税務調査にあたり国税当局が掲げている要件は、おおまかに以下の通りです。

・機密性の高い情報のやり取りが行われることに加え、システムの脆弱性に起因するリスクがあることを調査先が理解していること。

・調査先が、通常業務においても機密性の高い情報のやりとりを含めWEB会議システムを利用していること。

 要約すると、「機密性の高い情報を当局とやり取りするにあたり、調査先企業において情報が流出しないセキュリティ対策が講じられており、かつ、日常的にテレワーク社員や外部とWEBを使用して業務を遂行している。」といった意味合いになります。

〇今後の方向性

 コロナ禍でも一定の質で税務調査を実施するために、国税当局はリモート税務調査を積極的に拡大する方向です。これまで多くの手続きを踏んで実施していた金融機関への預貯金照会や、税務調査における必要書類の提出について、オンライン化とする環境整備も進められています。従来の書簡調査、対面実地調査に加えて、調査先企業のセキュリティ状況に応じてリモート調査を複合的に実施していくことになるでしょう。

 電子帳簿保存法により、紙に代わり電子データとしての保存が求められています。しかし、多くの中小企業では、まだまだ紙を用いての取引が主流となっています。今後、会計の電子帳簿化、オンライン化がどの程度進んでいくかが、リモート税務調査拡大の鍵となります。


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