令和4年7月15日
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定点観測
今年は梅雨明けも早く、あっという間に夏本番の気候になってきましたね。
先日、暑い日差しから逃げるように涼しい図書館にこもって本棚を眺めていると、ふと夏休みの自由研究のことを思い出しました。
自由研究ではあさがおの観察や、潮の満ち引きの記録、天体の動きなど記録を取って分析する内容が多かった気がします。今思えば、自由研究は記録と分析の練習だったのかもしれないですね。
さて、今回は経営における記録と分析について、決算書から読み取れる指標・読み取れない指標をいくつか紹介していきたいと思います。
<決算書から読み取れる数字>
・商品回転率 :一定期間内に在庫が何回入れ替わっているか。
(商品回転率=当期売上高/(期首棚卸+期末棚卸)/2 )
つまり、商品回転率の低下は在庫の増加or売上の減少を意味しており
≒商品の魅力低下を表していると考えられます。
・商品回転期間:現在の在庫がどの程度の期間で現金化できるか。
(商品回転期間=棚卸資産/期中売上/12月or365日)
つまり、商品回転期間の長期化は(死蔵)在庫の増加を意味しており、
≒資金繰りの悪化を表していると考えられます。
<決算書から読み取れない数字>
・客数(取引先)の増減、客単価(取引先別単価)の増減
単純に売上=客数×客単価であり、客数と客単価は売上を細分化した指標とも
捉えられます。
客数の記録を取ることで、季節性の一時的なものなのか、他店に客が流れてい
るのかなど、売上の増減を分析することが出来ます。
今回紹介した指標はあくまで一例であり、経営分析では他にも様々な分析手法があります。最近ではビッグデータによる統計的な分析をマーケティングに取り入れる企業も増えてきています。ただ、どの分析手法についても言えるのは、単月・単年で見るのではなく、同じ指標を用いたときに過年度と比べてどのように数字が推移しているかを把握し、その原因を分析する定点観測が大切だということです。
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