Break Time No.131 令和7年税改正 ~103万円の壁対応~(令和7年1月15日)

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令和7年1月15日

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令和7年税改正 ~103万円の壁対応~

 新年明けましておめでとうございます。

 本年も何卒宜しくお願い致します。

 さて、2024年12月20日に、与党より「令和7年度税制改正大綱」が公表されました。

 今回は注目度の高い、物価上昇時の税負担及び就業調整への対応(103万円の壁対応)についてお伝えします。

〇壁が103万円から123万円に

 個人所得課税(国税)における基礎控除の額が58万円(現行:48万円)に、給与所得控除の最低保障額が65万円(現行:55万円)に引き上げられます。いわゆる「年収の壁」が、103万円から123万円になります。

「特定親族特別控除(仮称)」の創設

 大学生年代の子等のいる親等が扶養控除を受けるためには、改正前は子等の給与収入額が103万円以下でなければなりませんでした。今回の改正により、子等の給与収入額が103万円を超えても、親等は、子等の給与収入額に応じて段階的に控除を受けられるようになりました。これを特定親族特別控除(仮称)といい、改正後は、子等の給与収入額が150万円に達するまでは、改正前の特定扶養親族の控除額と同額の63万円の控除を受けることが出来るようになりました。

給与所得者収入要件対象者収入要件
改正前改正後
本人の所得税が課税されない収入の上限給与所得者本人103万円123万円
本人が扶養控除(特定扶養親族)、特定親族特別控除で63万円控除できる収入の上限給与所得者の大学生年代の子等103万円150万円

 改正前では扶養に入っている大学生年代の子等の収入が103万円を超えた時点で、親等の税負担が急激に増えていましたが、改正により子等の収入が150万円を超えても、親等は段階的に控除を受ける事ができます。(180万円を超えると親等の控除がゼロに)これにより、年収の壁による就業調整緩和に効果があるといえるでしょう。

 一方で年収の壁は社会保険由来(130万円)のもは以前としてありますので、103万円から130万円への就業拡大は生じることが見込まれますが、社保の壁の見直しがないとそれ以上の労働供給は望みにくいといえます。

〇内容が変わる可能性も

 例年であればこの内容で今年度の予算案が閣議決定、今年の国会で成立していく流れになりますが、先の衆院選で与党は過半数を獲得することができておらず、特に、国民民主党と合意に至っていない所得税の控除の見直しについては、今後の議論の中で内容の修正がかけられる可能性が高い情勢にあります。


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