Break Time No.34 身の回りから考える税金(令和3年2月12日)

Break Time

令和3年2月12日

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身の回りから考える税金

〇身の回りの税金

代表的な税金と言えば、法人税や所得税、消費税などを思い浮かべる方が多いでしょうか。

そのほかにも身近な税金では、たばこや自動車、私の好きなお酒などにも税金がかけられています。税金は私たちの生活と身近な関係にあり、課税方法次第では私たちの生活環境を変化させる影響力をもっています。

〇窓にも税金!?

例えば、17世紀イギリスでは「窓税」と呼ばれる税金がありました。これは文字通り、所有している住居に設置されている窓の枚数に応じて課税されるという税金です。富裕層の屋敷には窓が多いということで、窓の枚数を一種の資産評価基準として導入されたそうです。しかし、税金あるところに税金対策あり。とでも言いましょうか。当時のイギリスでは「窓税」を軽減するために窓を土壁で埋める節税対策を行いました。ことさら悪いことに「窓税」は貸家にも適用されていました。そのため、大家さんは貸家の窓もすべて埋めてしまい、借り家住まいの人々は窓が一枚もない部屋での生活を余儀なくされたとのことです。日光は入らず、換気さえもおぼつかない状況です。当然、健康を害す人々も大勢いたそうです。

〇現代の日本でも?

「窓税」の話からも分かるように税金は私たちの生活を変化させる影響力を持っています。しかし、300年前のイギリスに限った話ではありません。現代日本でも課税方法によって特異な産業構造を形成するに至った業界があります。思い当たる節のある方もいらっしゃるかもしれませんね。そう、ビールです。酒税法では発泡酒等と比べ、ビール類の税率が高く設定されています。そのため、国内メーカーは純粋なビールではなく、安価に提供できる発泡酒や第三のビールなどの開発にも長年力を入れてきました。

〇時代の要請に応じた税制改正

税金が私たちの生活に影響を与える一方で、私たちの生活に応じて税法も改正されています。例えば、先程のビールの例では、税制によって特異に変化した産業構造を正常化するために、2020年10月から段階的にビールと発泡酒の税率を一律化する酒税法の改正が始まっています。この税制改正によって、ビールの開発に力が入れられ、より一層おいしく、多種多様なビールを楽しめるようになるかもしれませんね。毎年のように変化する税制も、煩雑な手続きと思わず、その改正の背景と私たちの生活のつながりを考えてみると、理解しやすくなるかもしれません。


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