NEWS LETTER No.15 (令和3年7月8日)

法人税務・会計

令和3年7月8日

本サイトの情報は、正確であるよう努めておりますが、万が一、情報が不正確であったことによる損害について、一切の責任を負いかねます。

⑴ 発行者コラム

 花芽はできるだけ切っていたのですが、ブルーベリーの一部の種類で実がなりました。種類によりますが、500円玉と同じくらいの大きさになるものもあります。すでに鳥に狙われています(汗)。次は防鳥ネットを張っていかないといけません。夏場はカリ・マンガン不足になりがちに思うので、硝酸カリウム・硫酸マグネシウムを追加投入しています。来年に向けて木をデカくしていきます!

 ちょこちょこ相続対策について相談を受けるのですが、各種一般向けのネット情報や書籍にある通り、リスクの低い基本的な方法は、贈与しかありません。残念ながら魔法の方法はありません。ただ、贈与はあげる方が勝手にあげれるわけではなく、もらう側ももらった!という状況でないといけません(通帳等はもらった方が管理)。しかし若いうちから多額のお金をもらっていると金銭感覚が狂います。そしてお金をあげすぎてお金がなくなった祖父祖母のところには子や孫が寄り付かなくなった、そんな切ない話も聞きます。これが嫌で子の名義の預金口座を親が作成管理して振り込んでいる人が多いですが、もちろん相続税の税務調査でこれが特に狙われています(いわゆる名義預金)。

 契約者を子、被保険者を親にした終身保険に加入させ、保険料相当額の現金を贈与することで子の金銭感覚を守るという方法もあるようです。ただやろうと思えば子が勝手に解約できると思います。孫の教育費や結婚子育て費用、住宅取得資金の一部を祖父祖母がその都度負担してあげるというのが無難かもしれません。

⑵ 改正電子帳簿保存法への対応(必須)

 令和4年1月1日からスタートする改正電子取引制度(電帳法7条)では、電子取引を行った場合には、原則通り、電子データのままの保存が義務付けられます。中小企業もすべて対象です。今までは、紙で印刷すればOKでしたが、これが認められなくなります。

①電子取引とはなんぞや?

 電子取引=「取引情報の授受を電磁的方法により行う取引」

 取引情報=取引に関して受領し,又は交付する注文書,契約書,送り状,領収書,見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項

よくわかりませんね。簡単な例を挙げると、

電子メールに請求書等のPDF添付をしても電子取引に該当する

ということです。結構やっている事業者が多いのでは?と思います。請求書は紙であったとしても、見積書はPDFにしてメールで送付したりしてもらったり、というのはよくありますよね。今までは紙に印刷して保存しておけば大丈夫でしたが、これをPDFやエクセルのまま保存しなさい、ということですね。

次のような取引も「電子取引」に含まれます。

①いわゆるEDI取引

②インターネット等による取引

③電子メールにより取引情報を授受する取引(添付ファイルによる場合を含む。)

④インターネット上にサイトを設け,当該サイトを通じて取引情報を授受する取引

Amazon,楽天やYahooショッピングなどで通販を行っている事業者は取引情報を紙ではなくすべて電子的にそのままの形で保存しておくということでしょう。めちゃくちゃ大変ですね。各モールから出力できるCSVやPDFを保存しまくる感じでしょうね。

②でも保存しておけばいいだけでしょ?

 じゃあメールサーバー保存するとか、適当にフォルダ作ってそこにデータをぶち込んでおけばいいんでしょ?と思うかもしれませんが、ところがどっこいそうじゃありません。

 「年月日」,「取引金額」,「取引先」での検索が可能な形での保存が必要

(電子帳簿保存法施行規則3条等)

③まさか

 検索機能の確保、が要件として付されています。まさか…

検索機能の確保 (電帳規3①五,⑤七,8①)

①「一定事項」を検索条件に設定できること

②日付又は金額の記録項目の範囲を指定して条件設定できること

二以上の任意の記録を組み合わせて条件設定できること

範囲指定、組み合わせでの検索… これは普通のOSの検索機能では無理だと思います!

④これどうすりゃいいの

 上記①~③の要件を満たすためには、対応する文書管理システム

を導入するしかないと思われます。

ただ、逃げ道があります。

税務職員の質問検査権に基づくデータのダウンロードの求めに応じることとする場合は,②③の要件は「 不要 」

とされています。税務調査のときに、調査官がデータをダウンロードできる環境を提供することができるのであれば②③は不要(①は常に必要)のようです。

つまり、税務職員のダウンロードの求めに応じる場合であっても,「取引等の年月日」,「取引金額」,「取引先」により検索できる状態で電子データを保存しなくてはならない、んですね。

例えば、電子メールで取引情報を授受している場合に、勝手にメールソフト見てください!では通用しない、ということですね。取引年月日、取引金額、取引先での検索は、普通のメールソフトはできないですから。

ということは、普通に考えれば、メールで見積書とか請求書とかもらってしまった日には、または、メールで営業さんが送付してしまった日には、

文書管理システムとかNASとかPCのフォルダとか外付HDDとかに、例えば、

「2021/7/8 ○○株式会社 金額10,000円」というファイル名をつけてイチイチ保存していかないといけない、ということですよね。検索できないといけないわけですから。

なので、大変ですが、

社内できちんと周知して、保存ルールを作るしかないと思います

それか、取引先を巻き込んでみんなで紙に戻るか(逆行

⑤実は検索要件だけではない

 実は、検索機能の確保、以外にも要件があります。クリアするためには、パターンがいくつかありますが、一番楽なのは、

訂正削除の防止に関する事務処理規程の備付け です。

規程を作れと。ただ実はすでに様式が国税庁から公表されています。

電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】 問19参照

Ⅱ 適用要件【基本的事項】|国税庁

近いうちに、改正を反映した一問一答が公表されるようなので、そこで最新の規程例が公表されると考えられます。

 弊所は、この規程を作って、NASに年度・証憑名別にフォルダ分けして保存していこうと思っています。今後、Amazonとか楽天とかで買い物すると面倒になりますね。

⑥違反したら?

 検索要件等を満たしていない場合、法令の要件に従った保存が行われていないものとして青色申告の承認取消しにもなり得ます。面倒ですが、対応していくしかありません。

⑶ その他小ネタ

①電力自由化

 弊所事務所の電気を切り替えてみました。手続きが面倒かと思っていたら、電気代の請求書(番号が必要)を用意してネットで5分もあれば終わります。現在の電力会社の解約手続も要りません。もし電力メーターがデジタルメーター化されていれば工事も要りません。弊所はまだアナログメーターだったのでネットで手続き後、中電工の方が無料で交換しに来てくれました(15分程度停電)。

事務所の従量電灯契約と低圧動力契約(200Vエアコン用)の契約先をそれぞれ、エルピオでんき、Looopでんき、に変えただけで電気代が月15,000円前後安くなりました(もちろん不具合等は何もありません。 )。もともとの弊所の電気代は平均月70,000円程度でした。

ただ市場連動型のプランは選ばない方が無難だと思います(令和3年1月に電力の市場価格が高騰した際に電気代が10倍になった人がいるらしいです)。

②楽天モバイル(携帯電話)

 個人契約で1台のみであれば、データ通信量を月間1GB以下に抑えておけば、無料で利用できます。楽天Linkというアプリから電話すれば電話代もSMSも常に無料なので仕事で使ってみています。今のところ、電話がつながらなかったり、声が聞こえないといった不具合はありません。電話専用機として利用するのがおすすめです。


コメント

タイトルとURLをコピーしました