令和3年9月15日
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電子帳簿保存法の導入手順と緩和内容
1998年に電子帳簿保存法が制定されて以来、改正を重ねてきて本法ですが、令和3年度の税制改正によって大きく内容が見直されました。特に電子商取引に係る電子データについては書面での保存ができなくなったことにより、データの保存方法を抜本的に変えなければならなくなった企業も多いことでしょう。実際に幣事務所でも電子帳簿保存法に関する質問を多く受けています。
しかし、データの保存方法が厳格化される一方で、大幅に緩和された要件もあります。より身近になってきた電子帳簿保存法ですが、その導入手順について、令和3年度の改正内容を含め改めて見ていきましょう。
手順1 電子化する証憑を決定
手順2 文書管理規定や電子化手順書等を用意
手順3 電子帳簿保存法に対応した機器を準備(スキャナや会計システムなど)
手順4 所轄の税務署に申請書を提出(電子保存を開始する3ヶ月前までに提出)
手順5 電子保存の開始
※令和3年度の改正により、手順4の申請書提出は廃止!
これまで電子帳簿保存法を適用するにはデータの保存環境が整っても、申請からの3か月間の時間差があったり、煩雑な事務手続きが必要でしたが、今回の改正によりこの申請手続きが不要となり、より容易に電子帳簿保存法を適用することができるようになりました。
また、電子データの保存方法についても大幅に保存要件が緩和されています。
①タイムスタンプ(データ改善が行われていないことを証明するシステム)の緩和
従来は証憑をスキャンした日から3営業日以内に受領者が自署したデータにタイムスタンプを付す必要がありましたが、改正後は自署が不要となり、タイムスタンプ付与期間も最長2か月までと大幅に延長されました。また、データを改変できないシステムを使う場合はタイムスタンプの付与自体が不要となります。
②適正事務処理要件の廃止
第三者による原本との照合や定期的な検査といった事務処理要件が今回の改正より廃止となります。
これまで電子帳簿保存法について煩雑なイメージを持たれていた方も多いかと思いますが、令和3年度の改正により適用しやすい法律へと変わってきました。電子取引のデータ保存によるシステム変更と合わせて、電子帳簿保存法の適用も検討してみてはいかがでしょうか。
参考パンフレット「電子帳簿保存法が改正されました」国税庁 2021.5
(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021005-038.pdf)
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