令和4年5月31日
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インボイス制度 免税事業者との取引上の注意点
以前から何回かお伝えしてきたインボイス制度。今回は「免税事業者」にスポットを当てて考えてみます。
①免税事業者は適格請求書を発行できない
仕入先に免税事業者を今後も継続する事業者がある場合、課税事業者である買い手側は何らかの対応を考えなければ、控除できない消費税を自社で負担することになります。
②免税事業者への対応が独占禁止法に抵触することも?
一般論として、免税事業者は小規模な事業者であり、そのような事業者を仕入先にもつ企業は、情報量や交渉力において仕入先に勝っていることが想定されます。
その地位を利用して一方的な価格改定等を行い、不当に不利益を与えることは、独占禁止法上の「優越的な地位の濫用」に該当する恐れがあります。取引価格の下方改定交渉などは、法的問題を引き起こす可能性があり、十分に注意して行う必要があります。
このような問題意識からか、今年に入り、財務省・公正取引委員会等が「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」を令和4年3月に公表しています。このQ&Aでは、独占禁止法等によって問題となり得る具体的な行為が解説されています。
③免税事業者に対し課税事業者になるよう要請する行為
課税事業者である買い手側が、仕入先の免税事業者に対し課税事業者になることを要請するケースも考えられます。このような要請を行うこと自体は問題になりませんが、それに留まらず、課税事業者にならないなら価格を引き下げる、取引を打ち切るといった一方的な通告を行うことは、独占禁止法上または下請法上問題になる可能性があります。難しいですね。要は、協議して決めなさいということです。
④仕入先の現状把握が最優先
まずは、仕入先のうちインボイス制度の開始と同時に適格請求書発行事業者になる予定のない事業者を把握しなければなりません。そのためには、仕入先に対してのヒアリングが必要となります。国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」では、既に適格請求書発行事業者の登録申請を終えた事業者の商号等を確認することができます。こちらもご活用ください。
免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A
リンク先)https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/invoice_qanda.html
適格請求書発行事業者公表サイト
リンク先)https://www.invoice-kohyo.nta.go.jp
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