令和7年10月15日
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今回は、日頃より多くのご相談をいただく「交際費の税務処理」について、改めて整理してお伝えいたします。実務上の判断に迷いやすい項目だからこそ、制度の背景とポイントを押さえておきたいところです。
1.交際費等の定義
交際費とは、法人が事業に関係のある者(仕入先、得意先、株主、社員など)に対して、接待、供応、慰安、贈答等ために支出する費用をいいます。
定義としてはかなり広く、社内旅行の費用、会議の弁当代、残業時の食事代などもすべて交際費等に含まれる可能性がありますが、税法では、その支出の目的・性格・金額などによって、交際費等に該当するものと、そうではないもの(隣接費用)との区分が設けられています。
2.交際費等は原則全額損金不算入
交際費等の額は、一部の例外を除き、原則として「全額損金不算入」とされています。
例外として損金算入できるものは下記のとおりです。
① 1人10,000円までの飲食費⇒全額損金算入できます。
② 中小法人(資本金1億円以下の法人)の場合
⇒交際費等の額が「年800万円(定額控除限度額)まで」損金算入できます。
③ 資本金1億円超~100億円以下の法人等の場合
⇒交際費等の額のうち「接待飲食費の額の50%相当額以下の金額」は損金算入できます。
3.飲食費とは
飲食費とは「飲食その他これに類する行為のために要する費用」とされています。
それに類する費用として、弁当代、飲食店での手土産、飲食店へのサービス料などが該当します。一方で、単なる飲食物の贈答、飲食店への送迎費、社内飲食費については飲食費に該当せず、通常の交際費等に該当することになります。
また、親会社の役員等との飲食費は、あくまでも社外に該当するので社内飲食費には含まれません。
4.会議に関連する飲食費について
会議費用は、企業に通常必要とされる内部的な費用であり、法人の事務所又は通常会議を行うような場所において提供された通常の茶菓、弁当や昼食程度の飲食物の費用を損金に算入するというものです。
裁判例では「ジャズレストラン、スナック、居酒屋、鮨屋、割烹料亭、しゃぶしゃぶ店、串焼店、天ぷら店、ステーキ店、鉄板焼店、ふぐ専門店等の酒食を提供する料理店であり、通常会議を行う場所ということは到底できない所ばかりである」旨判示されていますが、比較的安価な飲食店等であっても、会議が可能な個室を備えている店舗も多くありますので、「通常会議を行う場所」の認定は、会議の実態に即して判断が異なることがあると考えます。
また、会議に関連する飲食費は、一人当たり10,000円を超える場合であっても損金の額に算入されることになっています。しかし、同裁判例では「3,000円超〜1万円超」の支出は「通常の茶菓・弁当等の範囲を超える」として交際費と判断されていますので、支払金額が少々高いと感じられる場合には、取引先との関係性から求められる飲食店の佇まい、会議の重要性及び機密性などを鑑みて、必要な金額であった旨の定性的な説明ができるようにしておくべきでしょう。

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