令和7年8月18日
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企業の経営者にとって、税務調査は常に関心の高いテーマです。近年、税務当局による調査対象法人の選定方法は、国税総合管理システム(KSK)の活用などにより、より効率的かつ戦略的に行われるようになっています。今回は、どのような法人が調査対象として選ばれやすいのか、その最新の傾向とポイントを解説します。
1.調査対象はこうして選ばれる!最新の選定プロセス
〇KSKシステムによる粗選定
国税総合管理システム(KSK)が、申告実績や決算実績等のデータを分析します 。例えば、「売上高が連年増加の割には所得金額が低調」といったメッセージが出力され、調査の優先度が高い法人がリストアップされます 。
〇「実況区分」による絞り込みと効率化
法人は事業規模や過去の実績などに基づき3つの「実況区分」グループに分類され、特に過去に不正計算を行った法人などが含まれる「第3グループ」が実地調査の中心となります 。近年の調査は件数が大幅に減少しており、大口・悪質な不正計算等が想定される、調査必要度の高い法人に絞って効率的に行われています 。
2.要注意!調査対象として選定されやすい法人の特徴
以下の項目に当てはまる法人は、実地調査の対象となる可能性が高いと考えられます。
〇申告・決算内容に特徴がある法人
・多額の消費税還付申告を行っている。
・営業外損益に、多額の貸倒損失や雑損失を計上している。
・代表者への貸付金が多額である。
・多額の仮勘定が連年残っている。
・個人事業から法人成りした(個人経費の付け込みが想定されやすい)。
〇事業の状況や経緯に特徴がある法人
・設立以来調査を受けておらず、売上規模が比較的大きい。
・過去の調査で不正が指摘され、「継続管理法人」とされている。
・全国展開しているサービス業、飲食業、風俗業など。
〇外部からの情報がある法人 ・投書・匿名などの部外情報が寄せられている。
3.一方で、調査対象となる確率が比較的少ない法人
連年赤字の法人や、不動産賃貸業などで経営形態が単純・安定しており、過去の調査で非違がなかった法人は、調査対象となる確率が比較的少ないとされています。
〇まとめ
税務調査は決して「運が悪かった」から行われるのではなく、明確な基準に基づいて選定されています。上記の項目に当てはまるからといって必ず調査されるわけではありませんが、リスクを認識しておくことは重要です。
出典資料:エッサムファミリー会研修会・資料「実践法人税税務調査」~現状と対応策~(講師:税理士 牧野義博、2025年2月13日現在)

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